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ホッチキスの進化 [雑記]

いや驚いた。ホッチキスはじょうぶなもので、なかなか壊れやしない。しかし、No35-2M針を使うホッチキスの「貫通力」のなさに業を煮やして、新しい型を買うことにした。これがなかなかすごい。小型だが40枚を「フラット綴じ」してしまうのだ。これで折れ曲がった針をぐにょぐにょとひっぱって抜かなければならないことから解放された。まだお持ちでないかたはおためしあれ。




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ことばの美学33 のら猫気質 [雑記]

 きのう西部地区の翻訳者の会というのがあって、乾杯の辞を頼まれたので、そのときにもちょっといったのだが、あまり長く話すわけにはいかなかったので、さらりとすませるしかなかった――ので、ちょっと補足。

☆乾杯というと年配者がなにかひとこということになっているけれど、年功序列関係なしののら猫集団なのだから、そういうのはやめて、もっといきのいいひとたちにやってもらいたい、というのが僕の意見。
☆この会はそもそも上田公子さんがいいだしっぺだったのだが、もうそれはどうでもよくなっている――けれど、上田さんに聞いた話で、ケンリックを訳していたころには、文庫で一万部ぐらいがふつうだったという。いま部数がすくないと文句をたれるひとがいうけれど、多いときがバブルだったのかもしれず、逆にいえばこれだけ仕事がある現在は翻訳者にとってけっして悪い状況ではない。いまは倒産による原稿料や印税の取りはぐれもそんなにないし、業種としてリスクがそう大きいわけではない。
☆急ぎの仕事が多いけれど、印税がはいってくるのがそれだけ早いことを意味するのだから、あながち悪いともいえない。
☆女性向けのロマンスは、サラリーマンがエロティックなバイオレンス・サスペンスを読んでリビドーを高めて仕事にがんばったように、女性たちががんばる糧になっているのだから、もっと誇るべきである。それに、この市場ができたことによって、翻訳者の仕事の場がひろがった。
☆ロマンスはさまざまなものがあるけれど、猟奇的だったりアブなかったりするという面で、ミステリと共通している。乱歩だって少年愛や覗きなどを描いている。欧米のエロはちょっと器械体操的で笑っちゃうところもあるが、ミステリより「下」と見てはいけないのではないか。
☆そういったことからすると、本が売れない、売れないとはいっても、ミステリもふくめたホンヤク本市場全体が縮んでいるとは言い切れないかもしれない(これには量的な検証が必要であるが)。
 またなにか思いついたら書くことにしよう。

プロヴァンスの猫たち 2010[カレンダー]

プロヴァンスの猫たち 2010[カレンダー]

  • 作者: 内山晟
  • 出版社/メーカー: 労働教育センター
  • 発売日: 2009/09/10
  • メディア: カレンダー



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ミステリアス翻訳・周辺小賞(仮) [雑記]

――というのを「大賞」がうまれる前からマジで考えていた……いや、やるかもしれない。これはノミネート制で、条件をつける。
(1)デビューしてから10年ほどであること。(ただし、細かいことはいわない)
(2)初版発行部数が文庫1万部前後、ハードカバーやポケットブック版では5千部以下であること。(ただし、細かいことはいわない)
(3)自薦、もしくは編集者の推薦で、30字程度のコメントをつけること。コメントとその本は当ブログに掲載する。
(4)年に1冊しかノミネートできない。インセンティブとして、ノミネートには些少の参加賞が出る(たとえば¥500の図書券とか、だれもいらないようなお手製の栞とか)。
(5)ロマンス物その他を排除しない。だいたいパラノーマルって、「魔境原人」の世界でしょ。それに、NFでも伝奇的・猟奇的な要素があればよい。
(6)順位をつけず、5作5人を選ぶ。
(7)訳者に対する賞であるので、読みやすい本であることが望ましい。
――詳しくは吉野仁さんのHPhttp://homepage2.nifty.com/yoshinojin/index.htmlを参照してもらいたのだが、以下はそこからの引用。

で、『ダ・ヴィンチ・コード』のごとき超のつくよな話題作、年末ベストテンの堂々第1位、有名な賞の受賞作が、いくら何万何十万何百万と売れようとも、多くの人はなかなかその先に進まず、他のめちゃ面白い(とマニアや読書家が思う)本まで手を出さない。
 なぜかといえば、そういう人たちは面白がるための「コンテキスト」が足りないからではないのか。

――ということれあればして、計量的な手法でベストを選ぶと、選択肢が収斂する可能性が高い(現にミステリー大賞がそうである)。結果は最初からある程度読めているわけであるし、裾野まで効果がひろがらない。
――だから「周辺小賞」では。

(8)選者ひとりの独断と偏見で選ぶ。

このほうがおもしろそうでしょ? いまのところは春の夢だけどね……。

怪奇探偵小説名作選〈10〉香山滋集―魔境原人 (ちくま文庫)

怪奇探偵小説名作選〈10〉香山滋集―魔境原人 (ちくま文庫)

  • 作者: 香山 滋
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2003/09
  • メディア: 文庫



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ことばの美学32 へんな敬称 [雑記]

 おととしわりと話題になった、すこし前の時代のイギリスを描く謀略物ミステリを読んでいたら、機密文書の宛名が「事務次官よりXXXXXX英国首相閣下殿」と訳されているのに出くわした。うーん……これは……。絶句というやつだ。まず、「首相」というのは通称であり、公式文書に使われることはありえない。「内閣総理大臣」が正式名称である。さらに、「閣下」に「殿」がつくのもおかしい。しかも「殿」は目下に対して使う尊称である。たとえば他社の社長宛なら、XX株式会社取締役社長麻生由紀夫様と書くのが正しい。「麻生由紀夫社長殿」と書いたら失礼にあたるのである。知らなくても、ちょっと調べればわかることだと思う。これを見ただけで、そのひとの訳の信頼性を疑ってしまう。一事が万事なのだ。気をつけよう。

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ことばの美学 31 オンビキ [雑記]

 新聞・雑誌の表記はオンビキを嫌う。ターリバーンをタリバンとするのはよしとしよう。しかし、アフガニスタンのカーブルがカブールとなるのはどういうわけか。正確な発音の確認を怠ったものが基準とされるのは困る。最近はウィキペディアがかなり正確な表記を心がけているようなので助かるが、新聞・雑誌はまだ訂正が遅れているようだ。翻訳の立場からすれば、小説は多少不正確でも流布している表記でかまわないが、ノンフィクションはできるだけ正しい表記にしたいところだ。
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ことばの美学 30 「格」 [雑記]

 レストランにはいったとき、そこが白いテーブルクロスをかけている店であれば、まず一流と見る。つぎがビニールのクロス、それからランチョンマット、なにもなし――というように、それで「格」がわかる。白いテーブルクロスの店には、あまり雑な服装でいくわけにはいかないし、お行儀のほうも気をつけなければならない。ネクタイを締めないまでも、夜なら黒っぽい服装が望ましいだろう(女性はべつ)。
 こういう「格」を示すサインは、なにもレストランに限ったことではない。たとえば通信にもおなじことがいえる。たとえば、献本のお礼にきちんきちんとはがきや手紙を下さるかたもいれば、メールのひともいる。メールが悪いというのではないが、それがみずからの「格」を示すことになるのに気づいていないから、そういう横着をしてしまうのだろう。べつにおじいさんめいたウルサイことをいっているわけではなく、世の中はそういうふうに成り立っている。ブーメランのごとく、自分のやったことは自分に返ってくる。世間知らずなのかどうか、それを知らないほうが悪い。転居通知もしかりである。メールの通知であっても丁寧に返信することにしてはいるが、その時点で住所録をあらためることはまずやらない。それは仮のものだからだ。そして、そのひとは自然と☆がひとつかふたつ、あるいは三つ、減ってしまうのである。
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ことばの美学 29 理念と大義 [雑記]

 オリンピックの招致が失敗に終わったというのは、ある意味では朗報だった。海外ではナショナリストとして知られ、レーシスト発言をくりかえすガバナーには、東京でオリンピックをやることの理念や大義はとうてい語れなかったのである。金銭的なことや便宜をいくら強調しても、それは理念ではない。それに、「環境五輪」という言葉そのものに矛盾が内在している。二度目の東京五輪の理念をうたうなら、たとえば前回の五輪が国民を勇気付け、その後の繁栄につながったとして、今回は恩返しとして国際社会に貢献するなどといったことを強調してもよかっただろう。しかし、オリンピックの理念など、日の丸を揚げることしか考えていないガバナーの頭にはなかったにちがいない。
 どんな小さな運動でも理念や大義が必要なのは、それによって行為の規範がととのうからだ。ほどこしや寄付をするのは善意として褒められることでも、それはそのときだけのことにすぎない。改革や変化をほんのすこしでももたらすには、そこに理念や大義がなければならない。あんがい、そんな青臭いものが世界を動かしてきたのである。

クーベルタンとモンテルラン―20世紀初頭におけるフランスのスポーツ思想

クーベルタンとモンテルラン―20世紀初頭におけるフランスのスポーツ思想

  • 作者: 小石原 美保
  • 出版社/メーカー: 不昧堂出版
  • 発売日: 1995/02
  • メディア: 単行本



オリンピックと近代―評伝クーベルタン

オリンピックと近代―評伝クーベルタン

  • 作者: ジョン・J マカルーン
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 1988/08
  • メディア: 単行本



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ことばの美学 27 サイロ・メンタリティにご用心 [雑記]

 年末が近づくと、ミステリのベスト10を選ぶための投票用紙が何通か送られてくる。
 世間によく知られているもののひとつに、《週刊文春》のベスト10がある。会員でないかたは知らないかもしれないが、これは日本推理作家協会の会員になれば送られてくる。そして、広義のミステリ(むろんSFや女性向け官能小説であるロマンスも含む)を一冊以上訳していれば、ほとんどの場合入会を認められる(☆入会を希望される方は、会員になんらかの形で打診されたい。理事の推薦を取り付ける筋道がすでにできている)。現在、翻訳者の会員は55人前後で、全体(630人超)の一割にすこし欠ける。とにかく、会員になれば、翻訳者は定評あるマスコミのベスト10の投票に参加できる。このベスト10は、国内と海外に分かれている。
 講談社の「In☆Pocket」の文庫翻訳ミステリー・ベスト10の推薦用紙も送られてくる。こちらは読者も参加する形になっている。ハードカバーからの出発ではなく、文庫オリジナルが増えているいま、文庫とはいえ大きな意味を持つベストテンであることは否めないだろう。ほかにも「このミス」があるが、そちらについては関与していないので、ここでは言及しない。
 そこに、今年は「翻訳ミステリー大賞」が加わった。「翻訳家が選ぶ翻訳ミステリーという点が一番の特徴」だという。投票の有資格者は、「フィクションの訳書がすでに少なくとも一冊ある者、またはそれに準ずる訳業のある者」で、要領はともかく、年末の「ミステリー忘年会」などで第一次選考の結果が発表される。投票はメールで行なわれるとのことで、新設のお知らせは「ミステリー忘年会」出席者の名簿をもとに送られたようだ。
「ミステリー忘年会」には、日本推理作家協会の会員ではないがじゅうぶんに会員資格を持つ翻訳者が数多く出席する。そのほかのジャンルの翻訳者、ミステリ関係を中心とする各出版社の編集者、書評家、読書家も出席する。かつてはイラストレーターや写真家も来ていたものだ。いずれにせよ、出席者は200人になんなんとする。
 ここで資格のある翻訳者をリクルートすれば、おそらく会員を倍増できるだろう。しかし、この大賞の発起人のひとりに入会してはどうかと誘ったとき、「作家ではない」と断られたことがある。協会の定款には「推理文芸作家および推理文芸作品の翻訳等を職業とする者」と定められており、作家と翻訳者はおなじ立場にある。それに、彼の師匠は会員なのである。あまりにも馬鹿らしい口吻にそれ以上取りあう気にはならなかったが、その後彼は訳した本が大ベストセラーになったのだから、会員になれば相応の影響力を駆使して、翻訳者の立場を強化することもできたはずである。
 会員数の一割弱を占めるというのは、けっしてマイノリティとはいえず、存在感を発揮できるのだが、翻訳者は協会の活動に積極的に参加しているとはいえない。たとえば、発起人のひとりが以前何人かといっしょに入会したときには、会報に自己紹介の文をひとりも書かなかった。これについては長年の理事のひとりに苦情をいわれたことがある。最近でもこれを書かない新入会員が散見するが、いやしくも物書きであるならば、どんな媒体でも自分の文章がひとの目にとまる機会を逸するべきではないだろう。それに、なにもミステリへの思いを語らなくてもよいのだ。私が紹介した翻訳者の文章でもっとも印象に残っているのは、住んでいる町(田舎ではない)の自然について書いたものだった。また、年に二度のパーティに出席するものもすくなく、これも会員としてのつとめを果たしているとはいいがたいことで、たいへん残念である。
 くりかえすが、今回の「翻訳ミステリー」大賞の第一次選考結果が発表される「ミステリー忘年会」は、翻訳ミステリーになんらかの形で携わっているひとびとが集う場である。仮に私が編集者であったとしたら、「フィクションの訳書がすでに少なくとも一冊ある者、またはそれに準ずる訳業のある者」によって選ばれるということに、そこはかとない疎外感をおぼえるだろう。本はひとりでつくるものではない。まず原作を探すところからはじまって、訳者の選定、編集、校閲、製作、表紙のイラストやデザインを決めるといった作業の末に本ができあがり、宣伝がなされ、それに書評家や読書家の紹介文などがあいまって市場で認められる。
 翻訳者には、日本推理作家協会に入会することによって、《週刊文春》のようなメジャーなメディアのベスト10に投票する機会があたえられる。そのメジャーな「城」を捨て(あるいはそこに加わる機会を逸し)、みずからマイノリティになって「砦」を作るところまではよいとしても、偵騎をつとめ、兵站や実務をになう編集者、軍師や顧問ともいえる書評家や読書家のような特技を持つマイノリティをそこから排除することは、戦略・戦術上、得策とはいえない。有効な機能をみずから取り除いてしまった「砦」に戦う勢いのあろうはずがない。それに、「翻訳家が選ぶ」というのはただの仕切りであって、理念ではない。この「砦」で新しいベスト10を設立するのであれば、仕切りの外から見守るひとびとが納得するような理念が必要ではないだろうか。
 それに、売れない、売れない、といわれているのは翻訳ミステリばかりではない。先日ある若手人気作家と話をしたが、ミステリ作家の連載の場は縮小し、依頼された書き下ろしの出版を拒否されることもあるという。そんなときに。「ホンヤク」のことばかりを憂えているのはいささかナイーヴだし、サイロ・メンタリティに陥っているといえるだろう。


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LEDライト [雑記]

 蛍光灯の光があまりにも「蛍光灯」なので、LEDのデスクスタンドを買ってみた。光源三つで影がちょっと気になるものの、明るくてよろしい。ただ、こういう白光よりもクリプトン球を使う黄色っぽいバイオライトのほうが、光としては好きだ。なお、うちで買ったのはLEX950のほう。
TWINBIRD LEDクリップライト ホワイト LE-H621W

TWINBIRD LEDクリップライト ホワイト LE-H621W

  • 出版社/メーカー: ツインバード
  • メディア: ホーム&キッチン



アームライト LEX-950 白

アームライト LEX-950 白

  • 出版社/メーカー: Garage
  • メディア:



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ことばの美学27 コミットメント [雑記]

commitmentはいろいろな文脈で使われる言葉だ。企業なら「必達目標」、政府なら「言質」「公約」「(真剣な)取り組み」、恋人同士なら「いいかわす」「愛の誓い」といった意味を持つ――というぐあい。要するに、対象に深くかかりあって、献身的に責任や義務を果たすことであるだろう。
 個人のコミットメントは、親、子、配偶者、恋人、ペット(笑)といったものが中心になるだろうが、そういった対象を持たない、あるいは持っていてもコミットしない――というひとびとが増えているような気がする。そもそもpeer groupでは、コミットメントはあまり育たない。気楽な関係を求め集まるのだから、そこにコミットメントを持ち込むことはないだろう。「友愛」と称するものをそこでおおまかに標榜することはあっても、コミットメントのない友情などありえない。それはまやかしでしかない。
 コミットメントやミッションなしで生きていくということ自体、よく理解できないのだが、なしで生きていけるというのは、それなりに気楽なことであるのだろう。
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