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ことばの美学 30 「格」 [雑記]

 レストランにはいったとき、そこが白いテーブルクロスをかけている店であれば、まず一流と見る。つぎがビニールのクロス、それからランチョンマット、なにもなし――というように、それで「格」がわかる。白いテーブルクロスの店には、あまり雑な服装でいくわけにはいかないし、お行儀のほうも気をつけなければならない。ネクタイを締めないまでも、夜なら黒っぽい服装が望ましいだろう(女性はべつ)。
 こういう「格」を示すサインは、なにもレストランに限ったことではない。たとえば通信にもおなじことがいえる。たとえば、献本のお礼にきちんきちんとはがきや手紙を下さるかたもいれば、メールのひともいる。メールが悪いというのではないが、それがみずからの「格」を示すことになるのに気づいていないから、そういう横着をしてしまうのだろう。べつにおじいさんめいたウルサイことをいっているわけではなく、世の中はそういうふうに成り立っている。ブーメランのごとく、自分のやったことは自分に返ってくる。世間知らずなのかどうか、それを知らないほうが悪い。転居通知もしかりである。メールの通知であっても丁寧に返信することにしてはいるが、その時点で住所録をあらためることはまずやらない。それは仮のものだからだ。そして、そのひとは自然と☆がひとつかふたつ、あるいは三つ、減ってしまうのである。
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