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ことばの美学32 へんな敬称 [雑記]

 おととしわりと話題になった、すこし前の時代のイギリスを描く謀略物ミステリを読んでいたら、機密文書の宛名が「事務次官よりXXXXXX英国首相閣下殿」と訳されているのに出くわした。うーん……これは……。絶句というやつだ。まず、「首相」というのは通称であり、公式文書に使われることはありえない。「内閣総理大臣」が正式名称である。さらに、「閣下」に「殿」がつくのもおかしい。しかも「殿」は目下に対して使う尊称である。たとえば他社の社長宛なら、XX株式会社取締役社長麻生由紀夫様と書くのが正しい。「麻生由紀夫社長殿」と書いたら失礼にあたるのである。知らなくても、ちょっと調べればわかることだと思う。これを見ただけで、そのひとの訳の信頼性を疑ってしまう。一事が万事なのだ。気をつけよう。

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