『暗殺者の悔恨』マーク・グリーニー [近刊予告]
早いもので、このシリーズも9冊目になった。グリーニーは毎回、新趣向をこらして楽しませてくれる。今回は東欧を中心とする人身売買(売春組織)が取り上げられている。どうやら黒幕はアメリカ本土にいるようだ……。ジェントリーは拉致された女たちを追ってヨーロッパのあちこちで戦う。ユーロポールの女性アナリストを相棒に……。
新オプ・センター・シリーズ#3『復讐の大地』 [近刊予告]
おにぎり作り [近刊予告]
これは便利。本来はおにぎりをつくってそのまま食べるための道具だが、冷凍おにぎりをこしらえるのに使っている。ラップを敷いて、炊いた米飯を入れ、包んでぎゅっとプレスするだけ。そして、冷蔵庫で急速冷凍する。
Madre (マドーレ) おにぎり型 「ライスボールメーカー 6」 FP-306
- 出版社/メーカー: 富士パックス販売
- メディア: ホーム&キッチン
『第二次世界大戦 影の主役』ポール・ケネディ、および映画〈風立ちぬ〉のモデル堀越二郎の『零戦の遺産』についての雑感 [近刊予告]
先日、三沢の航空博物館へ行ってきた。ちょうど特別展で、映画『山本五十六』に使われた零戦21型と、十和田湖から引きあげられた一式高等練習機が展示されていた。映画『風立ち』の影響もあってか、書店にも零戦本は多い。まだ読んでいなかった『零戦の遺産』堀越二郎を買って、ぱらぱらと読んだが、不思議にもポール・ケネディとおなじ意見が述べられていた。「むしろ中堅以下の平均は、世界のなかでも高い点数をもらえるような働きをしたのではなかったか」――ポール・ケネディのEngineers if Victoryは、まさにその中間層の働きを遺憾なく描いている。堀越は、イギリスが戦闘機の生産を数機種に絞ったことを指摘し、日本が試作機種を増やし、資源を分散したことは大きな過ちだったとしている。日本の陸軍と海軍がてんでんばらばらに作戦を行ない、その両者を統帥する機構がなかったことは、ケネディも指摘している。、また、零戦の改造の速度が遅かったことを欧米はたびたび指摘しているが、これも「重点配分政策」が確立していなかったためだと、堀越はいう。今回、Engineers of Victoryを訳し、『零戦の遺産』を読んで、彼我それぞれの視点による物事の表と裏が見えてくるとともに、科学的思考がいかに大切であるかをあらためて考えた。本書については、書きたいことがいっぱいある。そのうち、すこしずつ書いていくつもりだ。
『孤高のSAS戦士』クリス・ライアン(ソフトバンク文庫) [近刊予告]
『キラー・エリート 極秘諜報部隊ISA』マイクル・スミス [近刊予告]
実態が明らかにされることのすくなかった米軍の極秘諜報部隊ISA(情報支援隊)――通称アクティヴィティ――の歴史と活動を克明に描いている。これを読むと、ああ、こんなところでもアクティヴィティが活躍していたのか、ということがわかる。情報機関にとっては、組織名を知られることすらがマイナスになる。そんななかで、これだけ連綿と生き延びて活躍してきたことに驚かされる。
発端は1979年の米大使館人質救出作戦だった。この作戦の失敗が、CIAに頼らない独自の諜報組織が軍には必要であるという教訓になった。この人質事件については、マーク・ボウデンの『ホメイニ師の賓客』にくわしいが、その他さまざまな特殊部隊関係の本にも、ちらちらとアクティヴィティが顔を出しているのが、本書を一読してわかった。
有名な『ブラックホーク・ダウン』の際にデルタ・フォースをジェリー・ボイキン大佐が指揮していたことが、ボウデンの著書でも映画でもなぜか伏せられているが、本書にはそれもちらりと書いてある。おなじボウデンの『パブロを殺せ』(映画化が予定されている)には、ボイキン大佐がコロンビア入りしたことが書かれているのだから、『ブラックホーク・ダウン』で伏せられているのには、なにか理由があるのだろう。アンディ・マクナブのSAS物の背景もよくわかる。ともあれ、『キラー・エリート』を読むと、さまざまな類書の伏せられたカードが見えてくるのである。集英社文庫から11月刊行予定。
発端は1979年の米大使館人質救出作戦だった。この作戦の失敗が、CIAに頼らない独自の諜報組織が軍には必要であるという教訓になった。この人質事件については、マーク・ボウデンの『ホメイニ師の賓客』にくわしいが、その他さまざまな特殊部隊関係の本にも、ちらちらとアクティヴィティが顔を出しているのが、本書を一読してわかった。
有名な『ブラックホーク・ダウン』の際にデルタ・フォースをジェリー・ボイキン大佐が指揮していたことが、ボウデンの著書でも映画でもなぜか伏せられているが、本書にはそれもちらりと書いてある。おなじボウデンの『パブロを殺せ』(映画化が予定されている)には、ボイキン大佐がコロンビア入りしたことが書かれているのだから、『ブラックホーク・ダウン』で伏せられているのには、なにか理由があるのだろう。アンディ・マクナブのSAS物の背景もよくわかる。ともあれ、『キラー・エリート』を読むと、さまざまな類書の伏せられたカードが見えてくるのである。集英社文庫から11月刊行予定。
ブラックホーク・ダウン〈上〉―アメリカ最強特殊部隊の戦闘記録 (ハヤカワ文庫NF)
- 作者: マーク ボウデン
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2002/03
- メディア: 文庫
ブラックホーク・ダウン〈下〉―アメリカ最強特殊部隊の戦闘記録 (ハヤカワ文庫NF)
- 作者: マーク ボウデン
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2002/03
- メディア: 文庫
パブロを殺せ―史上最悪の麻薬王VSコロンビア、アメリカ特殊部隊
- 作者: マーク ボウデン
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2002/04
- メディア: 単行本
ホメイニ師の賓客〈上〉―イラン米大使館占拠事件と果てなき相克
- 作者: マーク ボウデン
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/05
- メディア: 単行本
ホメイニ師の賓客〈下〉―イラン米大使館占拠事件と果てなき相克
- 作者: マーク ボウデン
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/05
- メディア: 単行本
デルタ・フォース極秘任務―創設メンバーが語る非公式部隊の全貌
- 作者: エリック・L. ヘイニ
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2002/12
- メディア: 単行本
SAS戦闘員―最強の対テロ・特殊部隊の極秘記録〈上〉 (ハヤカワ文庫NF)
- 作者: アンディ マクナブ
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2000/07
- メディア: 文庫
SAS戦闘員―最強の対テロ・特殊部隊の極秘記録〈下〉 (ハヤカワ文庫NF)
- 作者: アンディ マクナブ
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2000/07
- メディア: 文庫
ブラヴォー・ツー・ゼロ―SAS兵士が語る湾岸戦争の壮絶な記録 (ハヤカワ文庫NF)
- 作者: アンディ マクナブ
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2000/10
- メディア: 文庫
『グリーン革命』トーマス・フリードマン [近刊予告]
本書を読んだオバマ大統領は、「21世紀を制するのは、グリーン・テクノロジーとグリーン・エネルギーで主導権を握った国である」と述べている。金融危機でさまざまな問題が起きているいま、「フラット化」以降の雇用と繁栄は、まさにグリーン「新産業から生まれる」のである。この100年に1度の大変動を乗り切るのに、この本にちりばめられている叡智を借りない手はない。全米ではすでに100万部を突破、ベストセラーをさらに記録している。漢字の読めない首相も、たまには漫画ではなく、こういう本を読んだらどうだろうか? この分野の日本の高い技術は、世界的な競争力を持っているのだから、そこに着目してのばす手立てを考えるのが政治家のつとめだ。次元の低い足のひっぱりあいをしている場合ではない。オバマ大統領のつめの垢でも煎じて飲むとよい。
トーマス・フリードマン『グリーン革命』 [近刊予告]
温暖化、フラット化、人口過密化する世界で、人類はどう生き抜いてゆけばよいのか? 著者は、環境問題やエネルギー問題は格好のビジネスチャンスであると説く。これはアメリカに向けての書だが、そういった問題で先進的な技術を有する日本は、政策のとりようによっては優位な立場をものにできるはずだ。オバマ政権はグリーン・ニューディールと一般に呼ばれる政策を重視し、中国もその方向へ舵を切りつつある。日本はこの好機を逃してはならないだろう。そういう意味でも、ふんだんに叡智が盛り込まれた本書は、絶好のタイミングで刊行されるといえる。(3月24日発売予定)
God Machine ヘリコプターの歴史 [近刊予告]
ヘリコプターは、飛行機(固定翼機)と比べると、実用化されるまでにものすごく長い歳月がかかっている。アイデアはあったのだが、技術的難点を克服するのが、なかなかたいへんだったのだ。ほんとうに使えるヘリコプターができたのは、なんと第二次世界大戦後のことなのである。
この本は、ヘリコプターの歴史だけではなく、ヘリコプターという機械の文明や技術や社会とのつながりを通じ、さまざまな事柄を物語っている。われわれはヘリコプターというと、すぐにヴェトナム戦争を描いた戦争映画の場面を思い浮かべる。『地獄の黙示録』はその典型だろう。ヴェトナム戦争で危地からの脱出にヘリコプターが重要な役割を果たしたことはいなめない。固定翼機が着陸できない場所でも離着陸ができるヘリコプターは、救難にも多用されている。そのあたりのエピソードも、本書には詳しい。『ブラックホーク・ダウン』では、逆に、運用をあやまった場合のヘリコプターの弱みが、米軍が甚大な被害をこうむる一因となった。
ところで、そんな難しいマシーンであるヘリコプターが、こんなに安価に(むろん玩具だが)手にはいるとは、現代のテクノロジーはなんともすばらしいものだ。
この本は、ヘリコプターの歴史だけではなく、ヘリコプターという機械の文明や技術や社会とのつながりを通じ、さまざまな事柄を物語っている。われわれはヘリコプターというと、すぐにヴェトナム戦争を描いた戦争映画の場面を思い浮かべる。『地獄の黙示録』はその典型だろう。ヴェトナム戦争で危地からの脱出にヘリコプターが重要な役割を果たしたことはいなめない。固定翼機が着陸できない場所でも離着陸ができるヘリコプターは、救難にも多用されている。そのあたりのエピソードも、本書には詳しい。『ブラックホーク・ダウン』では、逆に、運用をあやまった場合のヘリコプターの弱みが、米軍が甚大な被害をこうむる一因となった。
ところで、そんな難しいマシーンであるヘリコプターが、こんなに安価に(むろん玩具だが)手にはいるとは、現代のテクノロジーはなんともすばらしいものだ。
The God Machine: From Boomerangs to Black Hawks: The Story of the Helicopter
- 作者: James R. Chiles
- 出版社/メーカー: Bantam Dell Pub Group (P)
- 発売日: 2008/09/30
- メディア: ペーパーバック
ブラックホーク・ダウン〈上〉―アメリカ最強特殊部隊の戦闘記録 (ハヤカワ文庫NF)
- 作者: マーク ボウデン
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2002/03
- メディア: 文庫
ブラックホーク・ダウン〈下〉―アメリカ最強特殊部隊の戦闘記録 (ハヤカワ文庫NF)
- 作者: マーク ボウデン
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2002/03
- メディア: 文庫
ブラックホーク・ダウン スペシャル・エクステンデッド・カット(完全版)
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- メディア: DVD
『反撃のレスキュー・ミッション』(仮題)クリス・ライアン [近刊予告]
クリス・ライアンのSAS物は、いよいよ迫力を増している。今回は、ある任務がもとで酔いどれのホームレスになってしまった元SAS隊員が、立ち直りのために命懸けの任務に挑む。SIS(秘密情報部)の命を受け、ヒズボラに誘拐された女性TVレポーターのいどころを突き止めなければならない。が、ヒズボラは英軍がイラクから撤退しないと、レポーターの首を斬ってインターネットで世界に流すと脅迫しており、しかもその刻限が迫っていた……。
クリス・ライアンは、イギリスのテレビ・ドラマ「S.A.S.英国特殊部隊」(Ultimate Force)の原案にも関わっているようで、クレジットされている。このシリーズは、DVD化されているし、ケーブル・テレビでも放映されている。一時間のドラマなので、さしたるスケールではないが、迫力のある戦闘場面が見られる。
クリス・ライアンは、イギリスのテレビ・ドラマ「S.A.S.英国特殊部隊」(Ultimate Force)の原案にも関わっているようで、クレジットされている。このシリーズは、DVD化されているし、ケーブル・テレビでも放映されている。一時間のドラマなので、さしたるスケールではないが、迫力のある戦闘場面が見られる。
S.A.S.英国特殊部隊 ファーストシーズンコンプリートBOX
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- メディア: DVD
S.A.S.英国特殊部隊 セカンドシーズンコンプリートBOX
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- メディア: DVD