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〈亡国のイージス〉 [映画]

 自衛隊が協力しているだけあって、艦艇や戦闘機などの美しい映像も楽しめるし、ちゃちではない映画になっている。ただ、イージス艦のCGはちょっとおそまつなところもある。原作を読んでいないと、流れは若干わかりにくいかもしれない。ちょっと疲れたおっさんの下士官を演じる真田宏之がとてもいい。しかし、髪はちょっと長いのではないかと思ってしまう。それに、寺尾聡副長のあの鬚はいかがなものか? 海上自衛隊が、ああいう無精鬚みたいなものを許しているとは思えないのだが……。まあ、長髪の特攻隊員キムタクよりはずっとマシかもしれない。いちおう見ておいてもいい映画だ。ただ、本のほうがずっとおもしろいかもしれないよ。

亡国のイージス プレミアム・エディション

亡国のイージス プレミアム・エディション

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • メディア: DVD



亡国のイージス 上  講談社文庫

亡国のイージス 上 講談社文庫

  • 作者: 福井 晴敏
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2002/07
  • メディア: 文庫



亡国のイージス 下  講談社文庫

亡国のイージス 下 講談社文庫

  • 作者: 福井 晴敏
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2002/07
  • メディア: 文庫



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〈廃市〉 [映画]

 福永武彦原作を大林宣彦カントクが撮ったもの。主人公のオトコノコはあまり台詞がうまくないが、小林聡美にそーとーひっぱられるので、見ごたえがある映画になっている。峰岸も死んでしまったなあ、と思うと、けっこう古い映画なのだね。柳川の情景が美しい。無口な尾身としのりの目の演技はなかなかのものだ。

廃市 デラックス版

廃市 デラックス版

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • メディア: DVD



廃市・飛ぶ男 (新潮文庫 草 115-3)

廃市・飛ぶ男 (新潮文庫 草 115-3)

  • 作者: 福永 武彦
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1971/06
  • メディア: 文庫



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〈アビエイター〉 [映画]

 最近見た映画(といってもDVDだが)のなかでは、もっともエキサイティングだった。金と命と名誉をかけたハワード・ヒューズの闘いは、血を沸き立たせる。よくも悪くも、ヒューズの生き方や業績は、その後のアメリカ人のマインドセットに大きな影響をあたえたのではないか――ハリウッドの超大作志向、軍用機や旅客機の大型化、そして自由競争。
 ジーン・ハーロウ、キャサリン・ヘップバーン、エヴァ・ガードナーといったハリウッド女優も登場するが、ヒューズはけっしてプレイボーイであったのではなく、彼女たちとは一種のソウルメイトであったことがうかがえる。それにしてもディカプリオはすごい役者だ。
――物語は1947年11月2日、世界最大の飛行艇ヒューズH‐4ハーキュリーズの初飛行で終わっている。「ジェーンズ航空百科事典」によれば、ハーキュリーズはこの日、ロサンジェルス港を1マイル飛行し、その後は二度と飛行していないという。その後、働き者の軍用輸送機ロッキードC‐130が「ハーキュリーズ」を襲名していることは周知のとおりである。「地獄の天使」の撮影シーンも含め、飛行機好きにとっても見逃せない映画だ。
 マーティン・スコセッシ監督、「ムーンライト・セレナーデ」ではじまるエンディングクレジットの尾っぽにブルースをくっつけているので、かならず最後まで見るように。

アビエイター プレミアム・エディション

アビエイター プレミアム・エディション

  • 出版社/メーカー: 松竹
  • メディア: DVD



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〈トスカーナの休日〉 [映画]

 題名や内容紹介からして、そんなに期待していなかったのでが、ちょっとひねりがきいていて、なかなか泣ける。ダイアン・レインの落ち着いた演技が、アメリカ女らしくなくて、そこも意外性があって、とてもいい。それにしてもイタリア人は美男子が多いから、こりゃ女性には魅力的な国だ。一面ヒマワリの景色もすばらしい。ところで、プロヴァンスもそうだけど、ここもサソリがいるんですね。

トスカーナの休日

トスカーナの休日

  • 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • メディア: DVD



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〈二人日和〉 [映画]

 人生の時は静かに流れていくようでいて、突然運命が転じることがある。そしてたとえ永遠の訣れがきても、それは永遠から見ればじつは訣れではないのかもしれない。京都を舞台に、老夫婦を栗塚旭と藤村志保が演じるこの物語は、「そこにおったんか」という栗塚の台詞によって、終わるともいえるしはじまるともいえる。近しいひとを亡くすということは、そのひとにより近くにいてもらうようになることでもあるのだ。静かな日本映画を見たいという向きにお勧めである。

二人日和

二人日和

  • 出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ
  • メディア: DVD



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〈プロヴァンスの贈り物〉 [映画]

 あれれ、内容は……ピーター・メイルの名が原作としてクレジットされてますが、お話はまったく別。やり手のディーラーが、おじさんの残したプロヴァンスのシャトーへ行って、最初は売ろうと思ったんだけど、少年時代が懐かしくなったり、いい女に出会ったりして、ちょっと気が変わる、という物語。ワインが出てくるので、ついワインを飲みたくなり、いまはヨーロッパで絶滅したカルメネールという幻の品種の葡萄とシラーズによる「テラ・マター」をあけた。チリ・ワインというと馬鹿にする向きがあるが、これはすこぶるうまい(そんなにお安くはないですが)。
 おっと映画の話だった。リュック・ベンソンの「TAXI」シリーズでおなじみマリオン・コティヤールがお尻をまくったりするお色気場面のサービスもあるし、ユーモアたっぷりだから、明るく楽しめます。プロヴァンスは無理としても、勝沼の葡萄畑が買いたくなったぞ。

プロヴァンスの贈りもの

プロヴァンスの贈りもの

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • メディア: DVD



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〈フラガール〉 [映画]

〈スイング・ガールズ〉は複数なのに、〈フラガール〉はなぜ単数なのか、と突っ込みたくなるのはさておき、なかなか泣かせるいい映画です。昭和40年が舞台だから、高校生ぐらいの主人公たちは、まんず同時代人なのだね。日本の庶民がまだ貧しくて、なんとかがんばろうとしていた時代――バスも最初はボンネットバス、とレトロな味わいもよいのです。
 前半はよく台詞が聞き取れないのだが、これは松雪さんとおなじて、最初はなまりに慣れないせいかもしれない。小面の貌の蒼井優と、ちょっぴり般若面の松雪泰子の対比もよいのだね。
 いまだに生き延びて繁盛しているハワイアンズもすごいぞ。

フラガールスタンダード・エディション

フラガールスタンダード・エディション

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD



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王の男 [映画]

 韓国の時代劇は、厳しい階級制度がもたらす悲劇を描くものが多い。しかし、そういう状況での庶民のたくましさには感動する。かつて山本周五郎は、「慶長五年の何月何日に、大阪城でど、ういうことがあったか、ということではなく、そのときに道修町の、ある商家の丁稚が、どういう悲しい思いをしたか、であって、その悲しい思いの中から、彼がどういうことを、しようとしかということを探求するのが文学の仕事だと私は思います」といっている。
「春香伝」や「酔画仙」そしてこの「王の男」を見て思うのは、そういう視点である。織田信長も豊臣秀吉も、英雄であるかもしれないが、強大な権力を握って大量の殺戮をおかしている。国というものは、そういった権力者が必要であるのかもしれない。さもないと、他国に侵されるからである。しかし、イラク戦争のような現実があるなか、それらの人物を主人公とする大河ドラマのたぐいを気楽に見ていられないのは事実である。
 前置きが長くなったが、「王の男」は、李朝時代、美貌の青年といかつい青年の二人組の芸人が、王をめぐる陰謀に巻き込まれる物語である。二人は綱渡りなどの芸をしながら、権力者を揶揄する卑猥で滑稽な劇を演じる。それが王の側近の目に留まり、ある意図をもって、二人を含む芸人たちは王宮に送り込まれるのだが……。

王の男 スタンダード・エディション

王の男 スタンダード・エディション

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • メディア: DVD



春香伝

春香伝

  • 出版社/メーカー: アップリンク
  • メディア: DVD



酔画仙

酔画仙

  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • メディア: DVD



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〈スウィング・ガールズ〉 [映画]

 北京でやるオリンピックなど見たくない、というときに、ちょうどケーブル・テレビでやっていたのは、きわめて好都合であった。スポコン物といえばいえるのだが、バンドの連中は落ちこぼれだし、ユーモアたっぷりなのが、なんといっても楽しい。スポコンをマジメにやると軍国主義になってしまうから、重いコンダラはいけねーのだ。だいいち、懸垂とかうさぎ跳びが筋肉を硬くし、害があることは、よくわかっている……って関係ないお話ですが。
〈ブラス〉もだけど、音楽映画は泣けるねえ。〈ブラス〉では、「アランフェス」にじんときた。この映画では、「ムーンライト・セレナーデ」がお涙ちょうだいの一曲。女子高生たちのランボーな会話もなかなか楽しい。暑い夏、おすすめの一本。

スウィングガールズ スペシャル・エディション

スウィングガールズ スペシャル・エディション

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • メディア: DVD



スウィングガールズ スタンダード・エディション

スウィングガールズ スタンダード・エディション

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • メディア: DVD



ブラス!

ブラス!

  • 出版社/メーカー: アミューズ・ビデオ
  • メディア: DVD



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ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男 [映画]

 怪死を遂げたブライアン・ジョーンズの、すさんだ人生の部分だけを取りあげた映画で、「ストーンズから消えた」いきさつはわかるものの、ストーンズの音楽にどうかかわっていたかは、まったく掘り下げられていない。ミックはキースは、「そっくりさん」だが、存在感が薄い。ストーンズの音楽に興味のある向きは見ても時間の無駄。
 ところで、XHKがときどき流すエド・サリバン・ショーの映像で、ストーンズについてのテロップがかならず「ビートルズに対してストーンズは不良のイメージで」という趣旨の言葉になっているが、これはやめてほしい。ストーンズのメンバーのほうが、ビートルズのメンバーよりも、教育とクラース(階層)ではずっと上なのだ。「不良」はむしろビートルズのほうだろう。

ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男 コレクターズ・エディション

ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男 コレクターズ・エディション

  • 出版社/メーカー: エイベックス・トラックス
  • メディア: DVD



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