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王の男 [映画]

 韓国の時代劇は、厳しい階級制度がもたらす悲劇を描くものが多い。しかし、そういう状況での庶民のたくましさには感動する。かつて山本周五郎は、「慶長五年の何月何日に、大阪城でど、ういうことがあったか、ということではなく、そのときに道修町の、ある商家の丁稚が、どういう悲しい思いをしたか、であって、その悲しい思いの中から、彼がどういうことを、しようとしかということを探求するのが文学の仕事だと私は思います」といっている。
「春香伝」や「酔画仙」そしてこの「王の男」を見て思うのは、そういう視点である。織田信長も豊臣秀吉も、英雄であるかもしれないが、強大な権力を握って大量の殺戮をおかしている。国というものは、そういった権力者が必要であるのかもしれない。さもないと、他国に侵されるからである。しかし、イラク戦争のような現実があるなか、それらの人物を主人公とする大河ドラマのたぐいを気楽に見ていられないのは事実である。
 前置きが長くなったが、「王の男」は、李朝時代、美貌の青年といかつい青年の二人組の芸人が、王をめぐる陰謀に巻き込まれる物語である。二人は綱渡りなどの芸をしながら、権力者を揶揄する卑猥で滑稽な劇を演じる。それが王の側近の目に留まり、ある意図をもって、二人を含む芸人たちは王宮に送り込まれるのだが……。

王の男 スタンダード・エディション

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春香伝

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酔画仙

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