『春情蛸の足』田辺聖子 [本・読書]
身内の結婚式でハワイに行ってきたのだが、成田空港の売店で川上弘美の文庫新刊を探したところ、見つからない。なんだか半端な本ばかりだ。で、田辺聖子ならはずれはあるまいと思って買ったのだが、はたして当たりであった。食べ物にまつわる中年男女の淡い恋ともつかないものを描いて、さすがの名人芸! 田辺聖子のレンアイ小説はW辺X一やK池XX子の作品なんかより、ずっとずっと味わいがある。ただ、これを読んで、我が家(父母)のすき焼きは関西風であることがわかった。そもそもうちはなんでも薄味の関西風だった。どこからそうなったのかは定かでないのだが……。うーむ、男と女と料理の関係は深いなあ。