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『人類が知っていることすべての短い歴史』 [本・読書]

 本というものは、最初から読みはじめ、最後まで読まなければならない――という思い込みがどこかにある。
 しかし、辞書を隅から隅まで読むひとは、めったにいない(刑務所にはいったらやりたいと思うが)。百科事典をAからZへと読んでいくのは、「驚異の百科事典男」A・J・ジェイコブズぐらいのものだろう。
 ぐうたら旅行作家として名高いビル・ブライソンのこの本もまた、辞書のたぐいとおなじように、ページを踏破するのではなく逍遥する楽しみをあたえてくれる。ウィスキイを飲みながら、ニュートンの変人ぶりや化石になる方法や宇宙とは人類とはなんぞや? といったことを知るには格好の書だ。いや、いかなる本であろうと、読書など、世の中になんの役に立つものではない、それこそただの快楽、害悪、ヘンタイ的行為である、という意識をもってして読むべきだろう。本はアカデミックになりすぎた。

人類が知っていることすべての短い歴史

人類が知っていることすべての短い歴史

  • 作者: ビル ブライソン
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2006/03
  • メディア: 単行本


驚異の百科事典男 世界一頭のいい人間になる!

驚異の百科事典男 世界一頭のいい人間になる!

  • 作者: A・J・ジェイコブズ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2005/08/03
  • メディア: 文庫


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