山本周五郎中短編秀作選集：☆威蕃秘笈☆――本と音楽と翻訳 by 伏見威蕃：SSブログ

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新・翻訳アップグレード教室（２４）｜女艦長アマンダ・ギャレット・シリーズ（続.. ブログトップ

山本周五郎中短編秀作選集　[本・読書] [編集]

　小学館からこのたび刊行された第１回配本の二冊「待つ」と「惑う」を買った。周五郎はぼくにとってのバイブルなので、何度読んだかわからない。新潮社のソフトカバーの全集（著者の希望で、できるだけ価格を下げて読者に提供するために、そのような体裁にしたのだという）は持っているし、今回の選集の作品も大部分は網羅されているはずだが、こういうテーマを定めた選集も一興だろう。ただ、２段組はくだんの全集を見慣れた目には、いささか気になる。
　藤沢周平は、デビュー当時のイメージがあって、その後ほとんど読んでいなかったのだが、文庫の「蝉しぐれ」を買った。ただ、冒頭がなんとなく「長い坂」を想起してしまい、なかなか読み進むことができない。あるいは気のせいかもしれないし、「江分利満氏の優雅な生活」の冒頭が「さぶ」の冒頭と似ているのとは意味合いがちがうから、どうということはないのだろうが……。