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『怒りの葡萄』を訳す、その4 [雑記]

a single-action Colt「シングル・アクションのコルト拳銃」……コルト・ピースメーカーが有名だが、一発撃つごとに撃鉄を起こさなければならなくても、「連発銃」という。いわゆるsix-shooterである。これに対し、「単発銃」というのは、弾薬を一度に一発しかこめられないものを指す。
jake……禁酒法の抜け道に使われ、「ジャマイカ・ジンジャー」と呼ばれた医療用アルコール。人体に有害。
unbreaking loneliness「乗り静めることのできない暴れ馬のような孤独」……馬を使った比喩は多い。調教し、飼いならすことをbreakという。よく使われる用法だ。
let the clutch out against the brake「クラッチをつないだままでブレーキを踏む」……もちろん、クラッチ板が減っていて滑っていないかをたしかめている。『怒りの葡萄』では自動車が重要な役割を果たしているので、こういった描写が多い。モータリゼーションの幕開けの時代だが、自動車のメカニズムはこのころに確立したものが多く、驚くほど変わっていない。
she ain’t shooting no oil「オイルは漏れてない」……じっさいには「噴く」という表現が多いかもしれない。シリンダーヘッドやその他の部分から、オイルが漏れていると、エンジンが焼きつくおそれがある。現に、第16章ではオイルが関係するトラブルが起きる。

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