『独ソ戦全史』グランツ＆ハウス、守屋純訳　『大国の興亡』ケネディ、鈴木主税訳：☆威蕃秘笈☆――本と音楽と翻訳 by 伏見威蕃：SSブログ

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『独ソ戦全史』グランツ＆ハウス、守屋純訳　『大国の興亡』ケネディ、鈴木主税訳　[本・読書] [編集]

「史上最大の地上戦」をあますところなく描くこのノンフィクションは、訳も編集もすぐれていて、おおいに参考になり、仕事にとても役立った。丁寧に訳された原注もあり、資料としての価値が非常に高い。かつまた読み物としてもおもしろく、読みやすい。さらに重要なのは、「訳者あとがき」で念を入れて視点が語られていることだ。ノンフィクションの場合、バイアスがかかっていることはめずらしくない。それを「解説」や「訳者あとがき」で読者にそれとなくつたえるのも、ホンヤク本のつとめのひとつだろう。『大国の興亡』は、NF翻訳の模範とすべき書だが、このあとがきには、さまざまなメッセージがこめられている。これもぜひじっくりと読みたい良書だ。