『日無坂』安住洋子 [本・読書]
小説というものは、文章が九割であろう、と思う。文学はことばの芸術であるから、ひとつの言葉、ひとつの台詞が感動させるものであることが重要なのだ。だから、こういう無駄のない文章は好きだ。かつて、台詞のあとで改行し、「と、某はいった。」と一行を稼ぐ某有名作家がいた。しかし、この本に、「と、いった」はないのである。それほどに練りあげている。珠玉の一篇。
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