『今朝の春』『小夜しぐれ』高田郁 [本・読書]
江戸時代を背景にした小説を読むと、庶民がいかに天災や火事に苦しめられてきたかがわかる。それでも、新規まき直しが可能であれば立ち直れる。季節のうつろいが、ゆっくりと心の傷を癒してくれる。旬の野菜や魚介を口にして、また今年もその季節がめぐってきたことを実感する。だから、銚子でイワシがあがらず、葉物が廃棄されてしまうのは、とてもつらいことだ。災害のときは、炊き出しも重要だ。暖かいおにぎりや味噌汁は勇気をあたえてくれる。すいとんでもいい。被災者たちは、温かい食べ物を口にできているのだろうか?
今朝の春―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-4 時代小説文庫)
- 作者: 高田 郁
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 2010/09
- メディア: 文庫