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ことばの美学38 昔話・愚痴・説教 [雑記]

 書き忘れたが、『高峰秀子の流儀』に、意を得た言葉があった。高峰秀子には、「昔話(自慢)・愚痴・説教」がまったくないというのである。じつは、だいぶ以前のことだが、翻訳雑誌などのインタビューに、これで終わりだから、もう出ないといったのは、「翻訳家になったいきさつ」を語れば、いきおい「昔話」と「説教」になってしまうのが嫌だからだった。本を書いたり、学校で教えるのもおなじことだ。こうしたブログなどの文章も、そうなりがちではあるが、できるだけ抑えようとしている。いずれにせよ、高い立場からホンヤク論を唱えるのはやめたほうがいい。
 これは年をとればとるほどそうなるのであるが、50前にもう控えたいという気持ちになった。髙樹のぶ子が新聞の随筆に、団塊世代はともすれば説教をしたがるので気をつけようという趣旨のことを書いていた(だいぶ前だが)が、はっと気づいたものである。自慢できること、愚痴をいいたくなること、説教したくなるようなことは、だれにでもある。それを感じさせずにホンヤクのお話ができるのは、斯界ひろしといえども、50にして天命を知り銅臭も薄れたT口大僧正ただひとりなのである(肉欲はまだあるのかも知れぬ)。小生などまだナマグサ坊主なので、まだ毒を吐いたり、色香に迷ったりいたしまするよ。お覚悟を。
(下の本はこの文章とはまったく関係ありません)



策謀の法廷 (上) (扶桑社海外ミステリー)

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策謀の法廷 (下) (扶桑社海外ミステリー)

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