"Lady in Satin " Billie Holiday [ギター・音楽]
針を落としたとたんに(いや、じっさいはCDだが)、ビリー・ホリデイの生々しい声がI'm a fool to want youと歌う。ジャズの代表的なtorch songがちりばめられたこのアルバムは、1958年2月の録音――borrowed timeを生きていたビリー・ホリデイは、17カ月に亡くなる。レイ・エリスの流麗なオーケストレーションが歌の生々しさをいっそう引き立てている。Boseのウェイヴレディオではなく、アナログ盤で聞きたいような傑作。いろいろなバージョンが出ているが、このイギリス盤は紙ジャケットが凝っている。いつも思うのだが、ボーナストラックは名盤の場合は蛇足だ。