吉村昭『史実を歩く』『深海の使者』 [本・読書]
『深海の使者』は潜水艦物の名作なのだが、うかつながら『史実を歩く』を読んで、はじめてその存在を知った。伊号潜水艦がヨーロッパまで行ける航続距離があるのかどうかということは、前から知りたかったのだが、もっと早くこれを読めば、現実にヨーロッパと行き来していたことがわかったはずだ。また、終戦までに実戦配備が間に合わなかった最新型の伊号潜水艦は、その後のアメリカの潜水艦開発に影響をあたえたという。これについては、『幻の潜水空母』佐藤次男(光人社NF文庫)に詳しい。『深海の使者』は、潜水艦物を取り扱う訳者にとっても必読の書といえよう
『史実を歩く』を読むと、吉村昭という作家が歴史に対してとっていたスタンスがよくわかる。この本に書かれていることは、たいへん正直で率直であり、著者の誠実な人柄がよくわかる。『戦艦武蔵』や『零式戦闘機』はむろん読んでいるのだが、他の作品もくまなく読みたくなった。
『史実を歩く』を読むと、吉村昭という作家が歴史に対してとっていたスタンスがよくわかる。この本に書かれていることは、たいへん正直で率直であり、著者の誠実な人柄がよくわかる。『戦艦武蔵』や『零式戦闘機』はむろん読んでいるのだが、他の作品もくまなく読みたくなった。