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スミス・ストラト [ギター・音楽]

 たまにはギターの薀蓄でも語ろう。
 Made in USAでうれしいのは、何十年も変わらないことだ。なかでも、FenderやGibsonやMartinのギターは、基本的なデザインがほとんど変わらずに長い年月愛されている。
 そうはいっても、時期によって品質管理その他で、多少のでこぼこがある。
 Fenderの場合、好みにもよるだろうが、CBS傘下にあった1970年代が要注意だ。ストラトキャスターの場合、ラージへッドといって、ペグのあるヘッドの部分がまさかりみたいに大きくなり、トラスロッドがヘッドから見えているデザインになった。ネックとのジョイントも従来のボルト4カ所ではなく、3カ所になった。
 1980年代にはいると、さすがにCBS経営陣もFenderの隠れた遺産に気づき、梃入れをすることにした。そうして改革に取り掛かったのがダン・スミスだった。スミスは、ストラトキャスターやテレキャスターを伝統的なデザインに戻した。大きな変更は、ラージヘッドをスモールヘッドに、ボルトを4カ所にすることだった。当時、工場を見回ったスミスは、ボディの曲線もまちまちで、品質管理がなっていないことに愕然とし、品質基準を厳正に定めた。こうして改善された1982年頃のストラトキャスター・スタンダードは、スミス・ストラトと呼ばれている(写真)。これがのちの名器アメリカン・スタンダードの基礎となった。
 Fenderのシリアル・ナンバーはそう正確に製造年を示していないのだが、S(seven)ではじまっていれば70年代――例えばS8……なら78年。E(eight)で始まっていれば、80年代ということになる。Nは90年代、2000年以降はZになる。
 このスミス・ストラトは1982~3年のモデルと思われる。ブリッジにフィッシュマンのピエゾ・ピックアップがインストールされ、第二トーン・コントロールはそのピックアップのボリューム・コントロールになっている。したがって、ブリッジ側のピックアップはトーンが利かず、直結で、ブロードキャスターを思わせる硬い音が出せる。


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