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『フラット化する世界』 [新刊!]

 この本は、ブロードバンドがなければとうてい訳せなかっただろう。それくらい最新の情報が詰まっている。ところで、6月25日のSunday Nikkei「この一冊」で、スタンフォード大学名誉シニアフェロー今井賢一氏が冒頭に、まず下巻から読まれることをお勧めしたいと書いておられるのは、けだし至言である。
 というのも、われわれ庶民――日本人の大半を占めるミドルクラス――が生き延びる知恵が、ここに書かれているからである。第6章「無敵の民」の原語はダブルミーニングのUntouchableで、逐語訳すると差し障りがあるので、「無敵の民」としたが、これはなにもハイエンドの仕事に限ったことではない。作者は例として、スタジアムの飲み物の売り子の話を取りあげている。だれだって、いくら安くてうまくても、亭主とカミサンが口喧嘩をしている食堂よりは、明るくて愛想のいい食堂に行く。単純にいえばそんなことで、だれでも笑顔と機転があれば「無敵の民」になれるのである。
 経済書というとむつかしく聞こえるが、この本にはそんな場面があちこちにある。アメリカ文化の根底にあるgoodwillを信じる作者の気持ちが伝わってくる。

フラット化する世界(上)

フラット化する世界(上)

  • 作者: トーマス・フリードマン
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
  • 発売日: 2006/05/25
  • メディア: 単行本


フラット化する世界(下)

フラット化する世界(下)

  • 作者: トーマス・フリードマン
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
  • 発売日: 2006/05/25
  • メディア: 単行本


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