"September of My Years" "Sinatra in the Sands" Frank Sinatra：☆威蕃秘笈☆――本と音楽と翻訳 by 伏見威蕃：SSブログ

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"September of My Years" "Sinatra in the Sands" Frank Sinatra　[ギター・音楽] [編集]

カラオケだろうとなんだろうと、My Wayはぜったいに歌わない。これや「昴」を歌うやつは悪しきナルシストだと決め付けている。だから、シナトラのアルバムで許せる最後の２枚はこれらなのである。「人生の秋」の１９６５年のレコーディング時、１９１５年生まれのシナトラは数えで５０になっていた。１２月にはいよいよBig Fiveが訪れる。人生の秋に差しかかったのである。リーフレットには、老眼鏡を後ろ手にしているシナトラの写真がある。ゴードン・ジェンキンズのアレンジと指揮によるこのアルバムは、１９５０年代のネルソン・リドルやゴードン・ジェンキンズのストリングスをバックにしたアルバムのよさがよみがえっている。タイトル曲をトップにもってきたのは、円周に近いほうが音がいいというLPの性質によるものだろう。かたや、「サンズ」でのライブ盤は、カウント・ベイシー・オーケストラがバック、クインシー・ジョーンズのアレンジと指揮という、とてつもない豪華なバックである。これは１９６６年の録音。このノリはじつに楽しい。シナトラほどのベテランでも、歌う前には煙草をひかえ、蒸気を吸入し、専属ピアニストと３０分の練習を行なうのだという。「サンズ」はフレディ・グリーンのギターがよく聞こえているのもうれしい。