『決断のとき』ジョージ・W・ブッシュ [新刊!]
今回の大災害ほど、リーダーシップが問われたことは、かつてなかった。逆にいえば、リーダーシップの不在、指揮系統の不在が明らかになってしまった。ジョージ・W・ブッシュは、ゆくりなくも、9・11同時多発テロ、未曾有の金融危機、ハリケーン・カトリーナによる災害を経験した。その政策にはさまざまな批判もあるが、危機に際してリーダーシップを示した大統領であることはたしかだろう。アメリカという国は、どうやらリーダーシップを生み出す国でもあるらしい。大統領がアメリカをつくると同時に、アメリカが大統領をつくる。日本はどうなのか? 吉田学校なきあと、二代目、三代目のおぼっちゃまたちが、国を荒らしつづけてきた。万民が平等の金太郎飴的な状態は、リーダーシップを生みづらい。しかし、ヒトラーのような危険なリーダーシップもある。日本の現状を考えるにつけても、『決断のとき』は、学ぶべきところの多い本だ。この題名にしてこの本、心して読まなければならない。なお、諸事情により出版が遅れ、前回の新刊案内が空予告になってしまったことをお詫びします。