『零式艦上戦闘機』清水政彦：☆威蕃秘笈☆――本と音楽と翻訳 by 伏見威蕃：SSブログ

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『零式艦上戦闘機』清水政彦　[本・読書] [編集]

　道具というものは、使われかたによって活きもするし死にもする。ゼロ戦もしかり。性能うんぬんも重要だが（本書ではむろん克明に分析している）、戦術的・戦略的状況や運用のしかたによって、結果には大きなちがいが出る。そういった相関関係をじっくりと分析しているのが、本書のすばらしいところだ。威力があるはずの２０ミリ機関砲が、なぜ本領をはっきできなかったのか、すぐれていたはずの米軍のレーダーや無線機による索敵能力がどうであったのか。零戦ははたして本来の役目を果たしていたのか……さまざまな問題の答がここで見つかるはずだ。戦略と戦術と運用面からゼロ戦（子供のころから、どうしてもこう発音してしまう）を分析したたぐいまれな好著。