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ことばの美学17 かっこよくはないけれど [雑記]

 社長さんの部屋には、「運・鈍・根」なんて色紙が飾ってあったりする。きわめてダサい。かっこ悪い。けれども、マルヴィナ・レイノルズのプロテストソング(ジュディ・コリンズが歌っている)It Isn't Niceにあるように、かっこいいやりかたではうまくいかない。「がんばる」とか「根性」っていうのは、かっこ悪いけど、成功への道すじはこれしかない。
 翻訳学校で教えないのも、インタビューに応じないのも、自慢話とお説教になってしまうのが厭だからだが、もうちょっとじいさんになったら、それもよかろうと思う。成功できなったひとびとは、努力したひとも、努力しなかったひともいるけれど、努力しないで成功したひとはいないだろう。今年は、世界一の大金持ちの伝記を訳す予定なのだけれども、彼は「(自分についての)他人の話のほうが、自分の話よりもかっこ悪かったら、そっちを選んでほしい」と伝記作家にいう。かっこ悪いことは恥ではない。かっこ悪いことを恥だと思う考えかたはまちがっている。厳しい世の中になってきたからなおさら、いくらかっこ悪くても努力することは重要になってくるだろう。それに、ひるがえって考えてみれば、愛情というのはやさしさではなく厳しさなのだ。気をつけよう「甘い言葉と暗い道」なのである。

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共通テーマ:日記・雑感

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