『中国は日本を併合する』 [本・読書]
著者は一貫して中国の軍事大国化を注視してきたひとなので、観察や予測はおおむね正しいだろう。中国人の(歴史的な)物の考え方もよく理解していると思う。
しかし、中国にせよ韓国にせよ、やることはあざといが、そのあざとさにはかえって感心してしまう。そのことが、日本の外交・軍事がプリミティブかつナイーブであることを浮き彫りにする。それは昔も今もあまり変わっていないように思う。海軍戦力が世界のベストテンの上位という強力な軍事力も、グランド・プランがなければ、なんの役にも立たない。こういう大きな目的意識の欠如を、国民性といって片付けてしまっていいものかどうか……。「中国が脅威」ということよりも、そっちのほうを考えさせられてしまった。