チャーチル・ファクター ボリス・ジョンソン著 石塚・小林訳 [本・読書]
「お騒がせ」首相のボリス・ジョンソンが描くチャーチル像。チャーチルがいかに演説や著作で言葉を工夫し、民衆の心に訴えたかも記されている。たとえば「最善のとき」(Their Finest Hour)演説では、「解放された」を「自由になった」に変えたという。ラテン語やギリシャ語がはいってきてできた言葉よりも、日常使われている「古い言葉」のほうがよいというのだ。これは現代の日本の政治家にも意識してもらいたいと思う。
危機の指導者チャーチル 冨田浩司著 [本・読書]
第二次大戦、諜報戦秘史 岡部伸著 [本・読書]
大英帝国衰亡史 中西輝政著 [本・読書]
歴史のツボを心得ているとてもよい本だ。たとえばレンド・リース法(武器貸与法が誤訳であることも指摘されている)がイギリスを縛る罠で、そのためにイギリスの貿易が禁じられ、衰亡につながったことが説明されている。イギリスは本土防衛戦に勝利したが、外貨準備は底をついていた。「帝国が千年つづいたとしても、あれが帝国最良のときであったと語られるようにふるまおう」とチャーチルは演説したが、それは帝国最期のときでもあった……。この訳にも感銘を受けた。Their Finest Hourはしばしば「もっとも輝かしいとき」と訳されているが、finest は堂々と、立派に、善戦したことを指している。この時機が「輝かしい」はずがないではないか。
手帳、ノート、カレンダーなど [小物・文具]
手帳は毎年おなじものにしたいので、Moleskinのウィークリーダイアリーを使っている。単語や訳語のメモはアナログに回帰し、コクヨの情報カード(シカ)とマルマンのルーズリーフを使っている、マルマンのルーズリーフは、リングが金属製なのがいい。これは場所をとらないA5にした。カレンダーは毎年、歳時記のもの。
Moleskine 2022 12-Month Weekly Pocket Softcover Notebook
- 出版社/メーカー: Moleskine
- 発売日: 2021/06/10
- メディア: カレンダー
コクヨ 情報カード 横罫 5x3サイズ 100枚 シカ-30
- 出版社/メーカー: コクヨ(KOKUYO)
- メディア: オフィス用品
マルマン ルーズリーフ バインダー A5 ジウリス 20穴 ベージュ F290-21
- 出版社/メーカー: マルマン(maruman)
- 発売日: 2019/01/26
- メディア: オフィス用品
PERIL 危機 ボブ・ウッドワード&ロバート・コスタ [新刊!]
ウッドワードの「ホワイトハウス」物の新作が、コスタとの共著で刊行された。あいかわらず面白い。民主党はホワイトハウスを得ただけではなく、上院で50対50になり、ハリス副大統領に1票があるので、多数決で議案を成立できる……と思いきや、ウェストバージニア州選出の一匹狼、マンチン議員が反対するだけで、それが成り立たなくなる(最近もそうなったばかり)。今回は、そういった議会での駆け引きも興味深く描かれている。議事堂占拠事件についても詳しい。いまのアメリカを知るための必読の書だ。