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気になることば、士官学校と兵学校 [雑記]

陸軍と空軍は士官学校、海軍は兵学校という使い分けが、アメリカ海軍のそれらの学校に対しても行なわれているが、これは大きな間違いである。まず、「兵学校」というのは旧日本帝国海軍における名称にすぎず、universalな名称ではない。さらに、日本の兵学校はもともと「兵科将校」を育成するためのもので、べつに「機関学校」というものがあり、「機関科将校の」教育を行なっていた。その後、1942年の兵科と機関科の統合により、「兵学校」の名称が残された(『日本陸海軍事典』原剛・安岡昭男編/新人物往来社)。経理学校、潜水学校も存在していた。しかし、アナポリスの米海軍士官学校は、いわば総合大学なので、兵科将校のみを育成している「兵学校」ではない。さらにいえば、日本の海軍兵学校以前に存在していたイギリス海軍の士官学校が、なぜ「兵学校」と呼ばれなければならないのか?奇妙なことだ。実情に反して亡霊のごとく残っているこういう用語には困らされることがある。
日本陸海軍事典

日本陸海軍事典

  • 出版社/メーカー: 新人物往来社
  • 発売日: 2020/04/09
  • メディア: 単行本



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