『怒りの葡萄』ジョン・スタインベック [新刊!]
「怒りの葡萄」の見本ができた。発売は連休明け。なかなかいい装丁だ。既訳はいろいろあるが、すくなくとももっとも丁寧な仕事ができたのではないかと思う。これについては、いずれブログで書くつもりだが、だれもが冒頭のthe last rainsをただ「雨」と訳しているのには驚かされる。複数形の場合は、「大雨」「雨季」を意味する。本書では「最後のまとまった雨」と訳した。あとがきには、ウディ・ガスリーやマール・ハガード、ブルース・スプリングスティーンのことを書いた。いずれも本書と深いかかわりがある歌手だ。スプリングスティーンには、The Ghost of Tom Joadというアルバムがあり、本書にたいへん大きな影響を受けたと述べている。ウディは渡り労働者支援コンサートのためにニューヨーク滞在中に映画『怒りの葡萄』を見て、ストーリーをなぞる「トム・ジョード」という曲を書きあげた。マール・ハガードはまさに「オーキー」で、有蓋貨車の家で生まれた。装丁もなかなかいいし、書店でぜひご覧ください。
This Land Is Your Land by ウディ・ガスリー (2005-04-04)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Falcon
- メディア: CD