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ことばの美学65 直してほしいことば [雑記]

1、旧来、「自動拳銃」ということばがよく使われていたのだが、「自動」とはフルオート、すなわち引き金を引きっぱなしにすれば連射できる機能のことだ、一部の拳銃には、たしかにそういう機能もあるが、ふつうは一発ずつ引き金を引くのだから、「半自動拳銃」すなわち「セミ・オートマティック・ピストル」が正しい。ライフルの世界では、すでにそう正しく呼ばれている。2、陸軍は「士官学校」、海軍は「兵学校」と訳さないと、まちがいであると指摘されることがあるが、これは旧日本軍の制度であり、米軍とはちがう。米軍は海軍もユニヴァーシティ(総合)なので、士官学校でよろしい。しかも「兵学校」と威張って指摘する向きはたいがい、1942年に「兵学校」が「機関学校」を合併したことを知らない。この時点で「兵学校」は、「兵科将校」のみならず「機関将校」も育成するわけになったのだから、「兵学校」という名称はいささか不正確になった。3、Detachmentを「分遣隊」と訳してあるのを散見するが、「分遣隊」とは警備のような静的任務につく部隊のことであり、独立して作戦を行なう派遣部隊は「支隊」と呼ばれる。4、「将校」と「士官」の区別だが、日本海軍では、兵学校や機関学校を出た正規の軍人を「将校」とした。だから、厳密にいえば、予備役「将校」というのはありえないわけだ。また、将校とは将(将軍)と校(佐官)であり、尉官は「士官」だとする分類もあった。時代によってことばは変わるが、なりたちを憶えておいて訳しわけてもらいたいものだ。
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