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ことばの美学64 イロの話 [雑記]

言葉が使われるうちに転じてべつの意味を持つようになるのは、よくあることだ。khakiというと、もとはカーキ色のことであり、カーキ色の軍服などのことだったが、いまではカーキ色とはかぎらないコットンパンツ、チノパンを指す。だから、brown khaki pantsもgreen khaki pantsもありうるわけで、それぞれ「茶色の綿パン」「グリーンの綿パン」のことだ。これがあんがい見逃されている。GAPのコマーシャルなどをよく見ていれば、わかるはずなのに……。おなじように、tanを「黄褐色」とする場合が多いが、そもそもそういう色の言葉はない、tanはトレンチコートの色、すなわちベージュのほうが近い。LLBeanなどのカタログが参考になるはずだよ。よく東南アジアの僧侶の衣を、サフラン色としているのを見かけるが、サフラン色はブルー系で、ありえない。欧米人はサフランライスの連想で、サフランイエローのことをいっているのだが、東洋人なら鬱金で染めた黄色であることを知るべきだろう。かようにイロの道にはご用心。
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