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『刑事の柩』鳴海章、『崩壊』塩田武士 [本・読書]

年齢も作風もちがう作家の作品をつづけて読んだのだが、どことなく共通点があるような気がする。どちらもそろそろ刑事勤務がつらくなってきたような警察官と、年下の女性がからんでいる。刑事という職業の金属疲労というと、ウォンボーが思い出されるのだが、そんなに深刻でもない。若者への共感――というと言葉が悪い――そこはかとない思いやりが流れているのも、共通するような気がする。父親っぽい男は、ともすればセクハラにつながるのだが、どちらの警官も純情(?)だ。こまかい部分がよく書けている小説は、読んでいてうれしい。それに、読後に嫌な感じが残らないというのは、エンタテインメントではだいじなことではないだろうか。
刑事の柩 浅草機動捜査隊 (実業之日本社文庫)

刑事の柩 浅草機動捜査隊 (実業之日本社文庫)

  • 作者: 鳴海 章
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2013/08/06
  • メディア: 文庫



崩壊

崩壊

  • 作者: 塩田 武士
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2013/05/18
  • メディア: 単行本



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