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『完全分析 独ソ戦史』山崎雅弘 [本・読書]

「おたく」というあまりよくない言葉があるが、これはほんらい「好事家」とでも呼ぶべき人々のことで、おおげさにいうと、日本文化はこうしたひとびとに支えられてきた。平安文化はいうまでもなく、茶道、江戸期の俳諧、細かな細工を行なった職人、零戦のような名機を開発したひとびと、人類学の徒、白川静のような学者などは、乱暴にくくれば、すべて徹底した好事家なのだ。この山崎氏もそうで、そこいらのへなちょこ軍学者や歴史学者など及びもつかない作業をしておられる。どんな仕事でも(翻訳も含めて)、「これでいい」とその人間が考えたところが上限になる。「これでも不足だ」と考えるなら、その上限は前者の上限よりずっと高くなる。高いところを見て仕事をしていると、おなじ印税でこの程度の仕事か――とあきれることも多い。たとえば、ロシアが舞台でロシア語が出てきたら、他人の情報を鵜呑みにせず、自分で辞書をひく(30をすこし超えるぐらいの文字しかないのだ)のが当然だ、と自分は思う。そうでないとわかっている訳者の本は、ページを切る気にもなれない。

完全分析 独ソ戦史―死闘1416日の全貌 (学研M文庫)

完全分析 独ソ戦史―死闘1416日の全貌 (学研M文庫)

  • 作者: 山崎 雅弘
  • 出版社/メーカー: 学習研究社
  • 発売日: 2007/03
  • メディア: 文庫



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