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ことばの美学56 乱射? 自動小銃? [雑記]

アメリカでまた痛ましい事件が起きて、おおぜいの児童が射殺された。こういう事件が起きると、日本の新聞はかならず「乱射事件」という言葉を使う。だが《ニューヨーク・タイムズ》の見出しは「銃を持った男による 大量虐殺に国民は衝撃を受ける」(Gunman massacres)となっている。乱射というのは狙いをつけずに撃つことだが、記事によれば「男の狙いはぞっとするくらい精確で、ほとんどの被害者が何発も撃ち込まれて死んでいた」という。「乱射」では、まるで流れ弾丸に当たったようだ。犯人は大量虐殺を目的とし、狙いをつけて撃っていたのだから、ふつうの日本語にもっとふさわしい「狙い撃ち」「狙撃」という言葉がある。それに「自動小銃」とある新聞の朝刊囲み記事にあったが、「半自動小銃」(semiautomatic rifle)のまちがいた。犯人が持っていたのは、223口径(5.56ミリ)のブッシュマスター半自動小銃と、10ミリ口径のグロック・セミ・オートマティック・ピストル、9ミリ口径のSIGザウアー・セミ・オートマティック・ピストルなどだったという。アメリカでは、M16などの軍用自動小銃を半自動にグレードダウンして市販している。今回使われたブッシュマスターもそのスピンオフのひとつ。アメリカの規制では、自動小銃型は市販されない。マスコミにはこの程度の常識もないのだ。ジャーナリスト諸君、すこし勉強しなさい。



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