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ことばの美学55 原発と核武装 [雑記]

政治問題はあまり書きたくないのだが、「原発」については、ひとこといっておかなければならない。「原発」はエネルギー問題であるだけではなく、国防・軍事問題という側面もある。日本に原発があって、ロケット打ち上げの技術があるということは、潜在的に核兵器、ICBMを製造できる能力があることを意味する。つまり、それには一定の抑止力がある。また、日本が核兵器を製造できるのに造らないということは、原発のある国が核兵器を製造しないように仕向ける抑止力にもなる。たとえば韓国は核燃料再処理をアメリカとの協定で禁じられているが、これは韓国が核兵器を製造する可能性が高い(極秘裏に製造しようとしたこともある)から、アメリカが核拡散防止の立場から禁じたものだ(この条約は数年後に失効する)。そういう現状で日本が原発をいっさい廃止すれば、ひとつの大きな抑止力を失うことになり、べつの抑止力を持たざるをえなくなる。つまり、核兵器保有が現実味を帯びる。これがいまの世界における日本の原発の実相だが、ブロガーを除けば、あまりその角度から考察されてはいないようだ。ちなみに、原発はそもそもアメリカの原子力潜水艦のためのテクノロジーで、それが民用になった。原発は軍事施設なみのレベルで管理・警備されなければならない。いまのずさんな管理に、原潜の産みの親であるリックオーバー提督は、草葉の陰で嘆いていることだろう。「探求」にも提督のエピソードは書かれている。

探求――エネルギーの世紀(上)

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  • 作者: ダニエル・ヤーギン
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2012/04/03
  • メディア: 単行本



探求――エネルギーの世紀(下)

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