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ことばの美学48 そのときにわからなかったことば [雑記]

――が、あとでわかることがある。これもそのひとつで、あるひとにきかれ、直訳は「法を護る盗賊」だが、と答えておいたのだが、何年かたってわかった。なぜかというと、当時はあまり存在していなかったロシア語の俗語辞典が、ロシアン・マフィアの欧米進出と、欧米人のマフィアとの接触によって(?)、続々と出版されるようになったからだ。ただ、厄介なのは、あれに載っていて、これには載っていないということがあることで、だから数冊をとっかえひっかえ見なければならない。さて、この「ヴォール・フ・ザコーネ」という言葉にいう「法」とは、犯罪者の掟のことだそうだ。つまり、鉄の掟を守る筋金入りの犯罪者――組織の大親分を指す。ロシア語は悪態が豊富で、それにもけっこう往生する。このあいだ訳したデイル・ブラウンの『アメリカ本土空爆指令』にもふんだんに出てきた。けっこう傑作なものがあるのだが、直訳では間が抜けるし、うまく訳しきれないのが残念だ。こんなときは、I氏に知恵を借りたい。
 ところで、アメリカの政治経済物をやっていると、cycleという表現がよく出てくる。これは、政治サイクルのことで、上院と下院の任期、改選にかかわっている。下院の任期は2年、上院は6年(ただし3分の1が2年ごとに改選)。つまり、4年に一度の選挙は大統領選挙と重なり、そのあいだの2年目の選挙は、大統領の施政を問う中間選挙となる。議院内閣制ではないアメリカに総解散はないので、これが政治が動く基本的な流れになっている。ちなみに、議会全体をcongressと呼ぶことはあっても、「上院議員も含めた議員」という意味でcongressmanという言葉を使うことはめったにない。congreaamanは99パーセント、「下院議員」を指す。これは州レベルでもおなじことである。

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