『銀二貫』高田郁 [本・読書]
高田郁は寡作だが、毎回泣かせられる。この人と宇江佐真理は、あきらかに山周の系譜だろう。曲軒の小説は、最近の婦女子にはすこし抵抗があるであろう部分もあるから、婦女子にはこの二人をお勧めするのがよいと思われる。曲軒周五郎は、「何年の何月何日に、大坂城で何が起きたかは、問題ではない。そのときに、道修(どしょう)町の、ある商家の丁稚(でっち)が、どういう悲しい思いをしたか、であって、その悲しい思いの中から、彼がどういうことを、しようとしたかということを探求するのが文学の仕事だと私は思います」といっている。
『銀二貫』は、まさにそのような物語である。これ以上はなにもいえない。この本を読んでもらうしかない。あ、「みおつくし」がいつのまにか出てるじゃないか。買わないと。
『銀二貫』は、まさにそのような物語である。これ以上はなにもいえない。この本を読んでもらうしかない。あ、「みおつくし」がいつのまにか出てるじゃないか。買わないと。
今朝の春―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-4 時代小説文庫)
- 作者: 高田 郁
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 2010/09
- メディア: 文庫