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今宵、フィッツジェラルド劇場で [ギター・音楽]

 失われてゆく古き(「よき」かどうかはわからないが)アメリカを、ミネソタの劇場を舞台に描く。グランオールオープリーもそうだが、こうした劇場は農業やラジオ放送と密接に結びついていた。アルトマン監督は「ナッシュビル」でもカントリー音楽を描いているが、そちらがドキュメンタリータッチだったのに対し、この作品は演劇のような色合いだ。主な場は楽屋と舞台とダイナー(安食堂)だけで、ケヴィン・クライン扮する私立探偵が狂言回しの役をつとめる。ノスタルジックな回顧劇ではなく、そこはアルトマン監督のことで、あちこちに伏線が張られている。リンジー・ローハンが格好の異分子役で、じいさんばあさん劇になるのを、うまく食い止めている。メリル・ストリープの内気そうな笑顔と細い声に、姉役リリー・トムリンの太い声がからむ「ジョンソン・シスターズ」は、そのかみのカーター・ファミリーのコピーバンドだろう。「スワニー河」の歌詞をかえたスイングのリズムのナンバーMy Minnesota Homeがことにすばらしい。20日まで文化村ル・シネマ2でやっているのを、きのうぎりぎりセーフで見にいったわけ。おなじ場所で上映中のドヌーブの「輝ける女たち」もキャバレー再生の話だから、なんとなく似ているね。


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