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10歳から100歳までできる英語のおべんきょう(3) [英語]

 イギリス英語(変な言葉だ。以前はクインズ・イングリッシュといった)とアメリカ英語が、ちがうということはよく知られている。地下鉄がイギリスではtubeかunderground railway、アメリカではsubway、エレベーターがイギリスではlift、アメリカではelevator――などというのが、単語レベルの代表的なものだろう。発音もちがい、アメリカでは語尾のrをはっきり発音する場合が多い。でも、こうした事柄は関西と関東のちがいみたいなもので、多少とんちんかんなことはあっても、じっさいにはそんなに不自由しないはずだ。レストランで日本人がliceと発音しても、シラミが出てくるわけはない。それとおなじだ。
 それよりも、英語をはじめて習うとき、「なんでイギリスとアメリカではつづりがちがうの!」ととまどうことが多いはずだ。colour(英)とcolor(米)、realise(英)とrealize(米)……。マイクロソフトのWordはアメリカのつづりを正しいとしているので、いまこうして書いていても、スペルチェックがはいってしまう。
 じつは、アメリカには、ノア・ウェブスターさんという頑固なおじさんがいて、このひとがつづりを単純化し、アメリカ特有の用法を「正しい!」とする規範的な辞書をこしらえたのだ。「発音がzなのに、なぜrealiseとつづるのだ!」というわけ。でも、riseをrizeにはしなかった。なぜでしょうね。ちなみに、ウェブスターさんは厳格なひとでもあったので、四文字言葉のたぐいはあまり載せなかった。そういう言葉は、のちの世に補遺として加えられている。
 ついでながら、昔のことで商標登録が正確に行なわれなかったのか、本家ウェブスターではない辞書にもWebsterが冠されている。本家のはA Merriam Webster’sとつく。たとえばWebster’s New World Dictionaryは、非常にすぐれた辞書だけれど、ノア・ウェブスターさんとは縁もゆかりもない。
 ウェブスターさんのどでかい辞書Webster’s Third New International Dictionaryは、最近では出番がなく、箱にはいったまま本棚の上に載せてあるが、どれぐらい分厚いか、一度図書館でご覧あれ。北米特有の植物などを調べるときには便利である。

Webster's Third New International Dictionary

Webster's Third New International Dictionary

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: Merriam, US
  • 発売日: 1976/07/05
  • メディア: ハードカバー


Webster's New World College Dictionary

Webster's New World College Dictionary

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: Wiley Publishing
  • 発売日: 2004/06/11
  • メディア: ハードカバー


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