『昭和史』と『戦争大統領』 [本・読書]
半藤一利『昭和史』(1926-45)を読了。昭和という時代の前半、日本政府の上層部や軍部が犯した浅はかな判断の数々があばかれている。徹底した議論がなされず、ちょっとした言葉のやりとりの流れで国の運命が決まってしまうのはおそろしい。
それとミラーイメージでだぶるのは、現ブッシュ政権のありかただ。ここでもプロセスが無視されている。そのことは『忠誠の代償』や『ブッシュの戦争』『攻撃計画』にも描かれているが、NSAのアメリカ国民に対する電子的監視をあばいでピューリッツァー賞を受賞した《ニューヨーク・タイムズ》のジェイムズ・ライゼン記者による『戦争大統領』(毎日新聞社から近刊予定)は、ブッシュ政権でラムズフェルド国防長官やネオコンがいかにプロセスや大統領の決定を無視して策動してきたかを描いている。その過程で、ライス国家安全保障問題担当大統領補佐官の役割や独立した情報機関であるべきCIAの機能も蝕まれてゆく……。
攻撃計画(Plan of Attack)―ブッシュのイラク戦争
- 作者: ボブ・ウッドワード
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2004/07/15
- メディア: 単行本
State of War: The Secret History of the CIA and the Bush Administration
- 作者: James Risen
- 出版社/メーカー: Free Pr
- 発売日: 2006/01/03
- メディア: ハードカバー